化粧品やスキンケア製品によく含まれる「グリチルリチン酸」由来の成分には、いくつか種類があります。それぞれの特徴や効果を詳しく解説します。

グリチルリチン (glycyrrhizin) またはグリチルリチン酸は、漢方の原料としても知られるマメ科植物カンゾウ(甘草)の根茎から抽出して得られる成分です。
画像は、乾燥したスペインカンゾウの根になります。
グリチルリチンやその他の甘草から得られる物質は、消炎作用や美白の効果を持ち、現在は、医薬のみならず、化粧品や医薬部外品の原料としても利用されるようになりました。
(画像元:「Wikipedia」より)
1. グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム)
特徴:
- 天然甘草(カンゾウ)由来の成分
- 水溶性で水に溶けやすい
- 抗炎症作用が高く、ニキビや肌荒れ防止に効果的
主な用途:
- 医薬部外品の化粧水・美容液・クリーム
- ニキビケア製品
- 敏感肌用スキンケア
メリット: ✔ 炎症を抑え、赤みや肌荒れを防ぐ
✔ 水に溶けやすいため化粧水などの製品に配合しやすい
✔ 刺激が少なく、敏感肌でも使いやすい
デメリット: ✖ 水溶性のため、クリームや油分の多い製品には適さない
2. グリチルリチン酸ジカリウム(グリチルリチン酸2Kと同義)
グリチルリチン酸2Kと同じ成分であり、呼び方が違うだけです。成分表示では「グリチルリチン酸ジカリウム」と表記されることが多いです。
3. グリチルレチン酸ステアリル
特徴:
- 油溶性で水には溶けにくい
- 肌にゆっくり浸透し、長時間作用する
- 皮脂となじみやすく、油分の多いクリームや乳液に適している
主な用途:
- クリーム・乳液
- 日焼け止め・リップケア
- 乾燥肌向けスキンケア製品
メリット: ✔ 油分になじみやすく、長時間効果が続く
✔ 乾燥しやすい肌でもうるおいを保ちながらケアできる
✔ クリームやバームタイプのスキンケア製品に配合しやすい
デメリット: ✖ 水には溶けにくいため、化粧水には向かない
✖ 即効性よりも、じわじわ効くタイプ
成分比較表
成分名 | 水溶性 or 油溶性 | 主な用途 | 特徴 | 肌への優しさ |
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グリチルリチン酸2K(ジカリウム) | 水溶性 | 化粧水、美容液、ニキビケア | 即効性のある抗炎症作用 | ◎(敏感肌向け) |
グリチルレチン酸ステアリル | 油溶性 | クリーム、乳液、日焼け止め | 長時間の抗炎症作用 | ◎(乾燥肌向け) |
化粧品を選ぶ際のポイント
✔ ニキビや肌荒れが気になるなら… → **水溶性の「グリチルリチン酸2K(ジカリウム)」**配合の化粧水や美容液を選ぶ。
✔ 乾燥肌でしっとり感が欲しいなら… → **油溶性の「グリチルレチン酸ステアリル」**配合のクリームや乳液がおすすめ。
✔ 敏感肌で炎症を抑えたいなら… → **グリチルリチン酸2K(ジカリウム)**が低刺激で使いやすい。
まとめ
グリチルリチン酸由来の成分は、それぞれの溶解性や特性によって適した用途が異なります。ニキビや肌荒れ対策には水溶性のグリチルリチン酸2K、乾燥肌向けのスキンケアには油溶性のグリチルレチン酸ステアリルが適しています。自分の肌質や目的に合わせて、適切な成分を選びましょう!