ヒアルロン酸の種類と特徴を知っていますか?
スキンケア化粧品の成分としてよく目にする「ヒアルロン酸」。保湿成分として配合されていることは広く知られていますが、その性質や分子の大きさまで意識して選んでいますか?
化粧品選びで「どちらにしようかな?」と迷ったとき、成分の違いを理解することで、自分の肌に合ったスキンケアを見つけやすくなることもあります。
今回は、ヒアルロン酸に注目し、種類ごとの違いや選び方のポイントをまとめました!
ヒアルロン酸とは?
ヒアルロン酸がスキンケアに広く使われる理由のひとつは、その優れた保水力にあります。
🔹 ヒアルロン酸1gで約5~6リットルの水を抱え込める

これは、たった1gのヒアルロン酸が、2リットルのペットボトル3本分もの水分を保持できる計算になります。
乾燥しがちな肌にとって、うるおいをキープするために欠かせない成分といえますね。
ヒアルロン酸の種類と特徴
一口に「ヒアルロン酸」といっても、スキンケア化粧品に使用されているものにはさまざまな種類があります。
📌 代表的なヒアルロン酸の種類
✅ ヒアルロン酸Na(一般的な保湿成分として使用される)
✅ アセチルヒアルロン酸Na(肌なじみを考慮した加工タイプ)
✅ 加水分解ヒアルロン酸(分子を小さくして角質層への浸透をサポート)
✅ ヒアルロン酸クロスポリマー-2Na(肌にとどまりやすい構造)
✅ 低分子ヒアルロン酸(角質層のすみずみまで広がりやすい特性)
また、近年では独自の技術で開発されたヒアルロン酸も登場しており、以下のような成分名が記載されていることもあります。
📌 メーカー独自のヒアルロン酸
・HAbooster®
・ヒアロキャッチ®
・ヒアロベール®
・ヒアロリペア®
・ヒアロオリゴ®
これらは、それぞれ水分保持力や肌なじみを考慮した処方が特徴とされ、メーカーごとに異なる工夫が施されています。
ヒアルロン酸の種類と選び方のポイント
🔍 スキンケア化粧品を選ぶ際に、こんな点をチェック!
✅ 肌の状態に合ったタイプを選ぶ
・「しっかり保湿したい」➡ 高分子ヒアルロン酸(肌表面にとどまりやすい)
・「角質層のすみずみまでうるおいを届けたい」➡ 低分子ヒアルロン酸
✅ 配合されている他の成分も確認
・ヒアルロン酸と相性のよいセラミドやアミノ酸が配合されているかチェック
✅ 使用感やテクスチャーを試してみる
・とろみのある化粧水が好きなら、高分子ヒアルロン酸配合。
・さっぱりした使用感がお好みなら、低分子タイプのものがおすすめ。
天然ヒアルロン酸と人工ヒアルロン酸の違いについて
ヒアルロン酸には、原料により大きく分けて2種類あります。
- 天然由来のヒアルロン酸
- 鶏の鶏冠(トサカ)などから抽出されるもの
- 生体適合性が高く、肌になじみやすい
- 人工的に作られたヒアルロン酸
- 微生物の発酵技術を用いて生成されたもの
- 安定した品質で大量生産が可能
化粧品に配合されるヒアルロン酸の多くは、安定した品質で大量生産できる人工的に作られたものが一般的です。
高分子ヒアルロン酸と低分子ヒアルロン酸の違い
ヒアルロン酸は、分子の大きさによって「高分子」と「低分子」に分類されます。
高分子ヒアルロン酸(天然由来のヒアルロン酸やヒアルロン酸Na)
- 分子が大きく、肌の表面にとどまって潤いをキープ
- 水分を抱える力が強く、保湿持続力が高い
- 肌のバリア機能をサポート
- 空気中の水分を引き寄せる性質があるため、乾燥を防ぐ
低分子ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸など)
- 分子が小さいため、肌の角質層まで浸透しやすい
- インナードライ肌や乾燥が気になる方に適している
- ただし、水分保持力は高分子より低いため、頻繁な補給が必要
- 肌のハリや弾力をサポートする働きも期待される
化粧品に配合されるヒアルロン酸には、以下のように、分子の大きさごとに、働きも異なります。
成分名 | 特徴 |
---|---|
ヒアルロン酸Na | 高分子で肌の表面を保湿 |
アセチルヒアルロン酸Na(スーパーヒアルロン酸) | 水分保持力が高く、肌の柔軟性をサポート |
加水分解ヒアルロン酸 | 低分子で角質層まで浸透 |
加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル | 肌のバリア機能をサポートし、保湿力を強化 |

図の参照元:「ビューリンR」公式サイトより
ヒアルロン酸の新技術
最近では、高分子ヒアルロン酸を活用した新しい技術も登場しています。
溶解型マイクロニードル技術
- ヒアルロン酸を微細な針状に加工し、肌に貼ることで角質層まで成分を届ける
- 乾燥が気になる部分にピンポイントでアプローチ可能
- 針が肌の温度で溶けるため、痛みなくケアができる
- 寝ている間にじっくりと保湿成分を浸透させることが可能
ヒアルロン酸100%原液とは?
「ヒアルロン酸100%原液」と表記されているものは、多くの場合「ヒアルロン酸Na」です。
- 高分子のため、肌の表面を長時間潤し、乾燥によるダメージを防ぐ
- 肌のバリア機能をサポートする
- そのまま使用するとベタつきを感じることがあるため、化粧水や美容液に混ぜて使用するとより快適に使える
ヒアルロン酸配合基礎化粧品選びのポイントのまとめ
自分の肌に合ったヒアルロン酸を選ぶ際は、以下の点を意識しましょう。
- 表面の保湿を重視するなら → 高分子ヒアルロン酸(ヒアルロン酸Na)
- 角質層まで浸透させたいなら → 低分子ヒアルロン酸(加水分解ヒアルロン酸)
- 乾燥対策&肌のバリア機能を強化したいなら → アセチルヒアルロン酸Naや加水分解ヒアルロン酸アルキル(C12-13)グリセリル
- べたつきを抑えて使いたいなら → 低分子ヒアルロン酸やオイルフリーの処方を選ぶ
それぞれの特性を知ることで、自分の肌に適したスキンケアが選びやすくなります。
ヒアルロン酸を効果的に使うためのポイント
- 保湿効果を最大限に高めるために
- 化粧水の後に塗布し、その上から乳液やクリームでフタをする
- 乾燥が気になる部分には重ね塗りをする
- 低分子ヒアルロン酸を使用する際のポイント
- 洗顔後すぐに塗布すると浸透しやすい
- 水分と一緒に使うと、より角質層へ届きやすくなる
- マイクロニードル技術を活用する場合
- 目元や口元など、特に乾燥が気になる部分に集中的に使用する
- 就寝前に使用し、翌朝のハリ感をチェックする
ヒアルロン酸を適切に取り入れることで、より効果的なスキンケアが可能になります。
まとめ
ヒアルロン酸にはさまざまな種類があり、それぞれ特徴や働きが異なります。
自分の肌に合ったタイプを選び、正しい使い方を実践することで、より効果的なスキンケアが可能になります。
日々のスキンケアにヒアルロン酸配合の基礎化粧品を取り入れる場合の参考にし、健やかで潤いのある肌を目指しましょう。